木炭車とは

車体後部に設した木炭ガス発生炉で、木炭を燃やしその際に発生する木炭ガス(一酸化炭素)を燃料にガソリンエンジンで走ります。
この木炭自動車は、昭和12~13年から20年頃に使用していた通りの設計を少し改良して、戦時中に制作できなかった部分を取り入れました。材料は、全てステンレスで製作したので、半永久的に使用可能です。

しくみ
Structure

発生炉のなかに木炭をつめこみ、ブロアーでエアーを入れ燃焼部で不完全燃焼を起こさせます。いわゆる一酸化炭素を発生させます。高温になったところで水を加え、水蒸気を一酸化炭素と結合させ、木炭ガスを発生させます。それからそのままでは、炭のホコリが多いので遠心分離機・ろ過器・清浄器を通してきれいにして、エンジンで燃焼させます。
一酸化炭素の爆発力は、家の火災でよく見られる、バックドラフトを思い出していただけるとわかりやすいと思います。

構造図
Structural drawing

歴史
History

昭和初期は、油を買うのが、難しい時代でした。
支那事変半ばより、油が統制と配給の時代になり、木炭自動車が増えました。
大東亜戦争に突入し、経済封鎖のため国内産業の輸送が厳しくなり、金属については、国内の釣鐘・鍋・釜まで供出して戦車や弾丸を作っていた時代に、鉄を多く用いる木炭自動車を製作するのは大変なことで、口で話す事の出来ない苦労でした。
資源のない時代に考えられた木炭自動車は、古き良き時代のシンボルとして、これからも省エネ、省資源のPRに走り続けます。